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気管支喘息

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気管支喘息

気管支喘息は気道の炎症、気道の過敏性の亢進、可逆性の気道閉塞といった症状が特徴の病気で、閉塞性換気障害という空気の通り道が狭くなることで起こる換気障害を特徴とした疾患です。咳が繰り返し出てきたり、ゼーゼーとした呼吸を繰り返す場合にはこの病気を考えなければいけません。

原因

気管支喘息の原因はアレルギーが関与する場合、気道感染に引き続いて起こる場合の大きく2種に大別することができます。アレルギーが関与するものはアトピー型(外因型)と呼ばれ、アレルギーの原因物質の吸入で発症します。一方、アレルギーが関与しない非アトピー型は気道感染(特にウイルス)に続発すると言われています。

症状

喘息の主な症状は発作的に起こる呼吸困難と咳、ゼーゼー息切れをしたような呼吸が特徴です。特に深夜から明け方に発症する事が多く、アトピー型の場合には春と秋に発症しやすく、非アトピー型の場合には冬に症状が現れる事が多く、高齢者発症が多いことも特徴的と言われています。

検査

問診・診察で喘息を疑った場合には喀痰好酸球検査や血液検査、呼吸機能検査、フローボリューム曲線という呼吸の状態を詳しく分析する検査によって診断を行います。

血液検査ではアレルギーの原因となる細胞(好酸球)が増えているのかどうかを診断する事ができ、アトピー性か非アトピー性かの鑑別ができるようになります。

呼吸機能検査ではスパイログラムという検査を行い、1秒間に吐き出せる息の体積の減少を確認します。喘息は息が吸えない病気と思われがちですが、問題になるのは入った息が吐き出せないという病態で、古い空気が肺に溜まってしまい、十分なガス交換ができない状態になってしまいます。フローボリューム曲線では毎回毎回の呼吸の状態を評価するのに用いる事ができ、こちらも起動が狭くなっているのかどうかを評価することができる検査です。呼吸機能検査は主観的によらない客観的検査として重要で、自己評価でなく症状が無いと言われる人でも呼吸機能検査の値が低い事が多いです。

治療方法

喘息の治療は発作時の治療と非発作時の治療とで異なっていて、それぞれ使うお薬も変わってきます。

発作時の対応

喘息の発作が起こった時にはまずβ2刺激薬というお薬を吸入し、気管を広げる治療を行います。これに合わせて、ステロイドという炎症を強く抑えるお薬やアミノフィリンという種類のお薬を利用して炎症が起こった気道の状態の改善を計ります。

発作が重症化してしまい、ガス交換がうまくできていない場合には酸素の投与と、エピネフリンというお薬の投与が行われます。非常に症状が深刻な場合には人工呼吸も検討しなければいけない場合があります。

非発作時の対応

発作が起こっていない時には、発作を予防する事を目的とした治療を行います。吸入ステロイドを利用し、炎症を抑えるお薬を組み合わせた治療を行うことが基本です。この非発作時の吸入薬による治療が重要で、途中で脱落する人が多く、風邪などの感染、ストレス等が引き金となり、発作に至り、救急受診する事が多いです。

予防法

喘息を予防するためには発作を引き起こす危険因子を把握することが非常に重要です。アレルギーの原因となるアレルゲンの把握や、呼吸器感染症にかからないような予防も重要ですし、運動や喫煙にも注意しなければいけません。気道に対して刺激が加わることで喘息の発作が誘発されてしまいます。炎症が繰り返されてくると炎症から回復しても不完全な状態にしか気道は戻りません。実はこの気道のリモデリングによって気道がさらに敏感になる事が知られており、喘息を予防することは非常に重要です。通常の喘息治療をしても、発作、咳、痰などの症状が続く時は、現在では生物学的製剤による注射治療もあり、効果は大きいです。また、それでも治療に難渋する場合、睡眠時無呼吸が合併していることも多く、当院で検査をして睡眠時無呼吸のCPAP療法を導入することもあります。この治療により症状悪化は減っていきます。

喘息を繰り返すことで徐々に気道は敏感になります。身の回りの環境にある喘息の危険因子は意識して避ける事ができるポイントです。気管支喘息という疾患は、20年前は死に至る疾患でしたが、今日でも年間1,000人位の人が亡くなる疾患です。高血圧症、糖尿病の治療と同じように、継続して加療する事がポイントです。症状が無いからと言って治療を止めないでください。健康な生活を送ることができるよう、生活にも注目して医療的なアドバイスを受けるように心がけていきましょう。